抗がん作用のある食品とは

  野菜の摂取とがんの予後を調べた報告があります。ハワイ大学のグッドマン博士たちが675人の肺がん患者の食事と生存期間の関係を6年以上にわたって調べた結果、より野菜を食べているものは平均33ヶ月生きたのに、野菜嫌いの患者は18ヶ月の生存期間であったと報告しています。また、ブリティッシュコロンビア大学、フォスター博士ががんの自然退縮(消えて無くなること)した200人を調べたところ87 %は根本的に食事を大きく変えていて、その食事はほとんど菜食主義的な食事をしていたと報告しています。

 大豆製品の摂取量が多いとがん治療後の予後(生存期間)が良好であることも報告されています。例えば、877症例の胃がんの手術後の生存率と食生活の関連を検討した愛知がんセンターからの報告によると、豆腐を週に3回以上食べていると、再発などによるがん死の危険率が0.65に減ることが報告されています。ちなみに、生野菜を週3回以上摂取している場合の危険率は0.74に減少し、喫煙していると2.53倍に増加することが報告されています。
 このように、野菜、果物、大豆製品を多く摂取すると、がんの予防や治療に効果があることは多くの研究により支持されています。これらがなぜがんの発生や進展を抑えるかというと、それらの食品中に、がん細胞を排除する免疫細胞の働きを高めたり、がん細胞の増殖を直接抑える効果をもった成分が含まれているからです。
 アブラナ科野菜(キャベツ、ブロッコリー、ケールなど)の辛味成分であるイソチオシアン酸塩成分には体内の解毒酵素の働きや抗酸化力を高める効果によってがんの発生を予防する効果が知られています。ニンニクやその仲間(ニラ、ネギ、ラッキョウなど)のニオイの成分には強いがん予防効果が知られています。
 その他にも、ショウガの成分のジンゲロールやショウガオール、香辛料のターメリック(ウコン)に含まれるクルクミン、きのこ類に含まれるβグルカンという多糖体、大豆のイソフラボン、緑茶のカテキン、ブドウやベリー類に含まれるアントシアニンやアントシアニジンなど、がん予防効果がある野菜や果物由来の成分は数多く知られています。みかんやレモンといった柑橘類には、精油のリモネン、フラボノイドのヘスペリジン、カロテノイドのベータ・クリプトキサンチン、水溶性食物繊維のペクチン類など作用メカニズムの異なる様々ながん予防物質が見つかっています。 
 食事によるがん予防を目的としたプロジェクトにアメリカのデザイナーフーズ・プログラムがあります。デザイナーフーズとは「がんの予防のためにデザイン(設計)された食品」ということです。アメリカ国立がん研究所を中心として、がんの予防に対して食品がどのような機能を果たすのかを科学的に解明することを目的に1990年にスタートしました。主として植物性食品に焦点をあてた研究が進められ、これまでがん予防に有効として40種類の野菜、果物、香辛料が発表されています(図1)。
 植物性食品だけでなく、魚油に含まれるドコサヘキサエン酸(DHA)、サメの軟骨や肝油、牛乳のラクトフェリン、カニやエビの甲羅から抽出したキチン・キトサン、乳酸菌などにもがんに対する効果が指摘され、抗がんサプリメントの素材となっています。

口コミ文章

レビューを募集中

評価を発表してください。

ユーザー名 匿名

評価ランク