抗がんサプリメントの正しい選び方、使い方

 がんの予防や治療において、標準治療や食事療法をサポートするという観点から、適切なサプリメントの利用は有用であると考えられています。しかし、がん治療中のサプリメントの使用には、医薬品との相互作用や、がん病態に悪影響を及ぼす場合もあることなど、様々な問題点が指摘されています。がんの予防や治療においてサプリメントを利用する場合には、その有用性だけでなく、注意点や問題点についても十分に理解する必要があります。

 抗がんサプリメントの宣伝には良いことばかりが強調されています。そのような誇大広告や宣伝文句に騙されないための知識もまとめています。さらに詳しい解説は、それぞれのリンクを参照して下さい。

がんの予防や治療の目的で利用されることが多いサプリメントの正しい使い方
 
サプリメントの種類 使用する上での注意
 
マルチビタミン・ミネラル
(カロテノイド、ビタミンC、ビタミンE、コエンザイムQ10、セレン、亜鉛など) マルチ・カロテノイド、ビタミンC、ビタミンE、コエンザイムQ10、セレン、亜鉛などをがんの発生予防や再発予防の目的で利用するときには、これらの多種類のビタミンやミネラルをバランス良く複合したサプリメントを適量補充すること。単独での摂取や過剰摂取は勧められない。
がん治療中は、不足しがちなビタミンやミネラルを補充することは大切だが、過剰な摂取は治療を妨げる場合もあるということを認識しておく。
 
キノコやベータグルカン
(アガリクス、メシマコブ、アラビノキシラン、AHCC、マイタケD-フラクション、霊芝、冬虫夏草、など) 日頃から免疫力を高めておくことは、がんの発生や再発の予防、感染症に対する抵抗力の増強という点において有用。がん治療中の日和見感染症の発生予防に効果が期待できる。
しかし、がんを縮小させるような効果は人間では証明されていない。また、がんの種類や状況によっては、がんを悪化させる場合もある。
ベータグルカンという成分名とその含量だけでは抗腫瘍効果の根拠にはならない。商品レベルでの有効性や安全性のデータをもった商品を選択することが大切。
大豆イソフラボン 乳がんや子宮内膜がんや子宮筋腫が存在する場合や、それらの治療後は、大豆イソフラボンを利用したサプリメントは勧められない。これらの腫瘍の進展や再発を促進する可能性がある。
前立腺がんや胃がんなど多くのがんの発生や再発を予防する効果が報告されているが、大豆イソフラボンの腸内細菌による代謝や体内での生理活性など不明な点も多くあり、人間でのがん予防効果の証明はまだ十分ではない。大豆イソフラボン単独の検討では、発がんを促進する作用を示唆する報告もある。
がん予防の観点からは、大豆イソフラボンのサプリメントより、大豆食品(納豆、豆乳、みそ、豆腐などの)を多く食べる方が好ましいという意見もある。大豆にはイソフラボン以外にも、フィチン酸、プロテアーゼインヒビター、サポニン、フィトステロールなどがん予防効果が報告されている成分が多く含まれており、これらの総合的な効果ががんの予防や治療に役立っているという指摘もある。
 
オメガ3不飽和脂肪酸
(ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸など) 1日に1〜2gのDHAの摂取はがん予防や再発予防の目的で有用と考えられている。ただし、 DHAやEPAは過剰に摂取すると、血液凝固能が低下して出血しやすくなる副作用があるので、手術や抗がん剤治療中の場合は、過剰摂取に注意が必要。
サメ軟骨、サメ肝油 サメ軟骨粉末やサメ肝油には十分な抗腫瘍作用は期待できないが、それらの中に含まれる血管新生阻害成分を濃縮したサプリメントには、がん治療への応用が期待できる可能性が残っている。ただし、抗腫瘍効果を示すほどの血管新生阻害作用が存在する場合には、妊娠する可能性のある女性、手術前後、虚血性心疾患などの場合には使用は勧められない。
 
ポリフェノール類
(フラボノイド、茶カテキン、イチョウ葉エキスなど) 野菜や果物に含まれる様々なポリフェノール類を食事から摂取することは、がんの予防や治療に役立つ。しかし、精製した単一成分を大量に摂取することは、安全性の問題などから勧められない。動物実験で示されているような抗腫瘍効果が、安全性を保証できる摂取量において人間で期待できるという証明はまだ不十分。単一成分での過剰な摂取は肝臓障害や発がん促進の可能性も指摘されている。食品に近い形のポリフェノール含有サプリメントが望ましい。
高麗人参、紅参、田七人参、アメリカ人参など がん治療における消耗した体力の回復を促進するために使用できる。エストロゲン作用があるため、ホルモン依存性の乳がん患者には勧められないという意見がある。薬物代謝酵素への影響を指摘する意見もある。(詳しくはこちらへ)
ニンニク、生姜 ニンニクや生姜は、過剰でなければ、特に問題はない。しかし、ニンニクや生姜の他に、大量のビタミンCやE、植物フラボノイド(イチョウ葉エキスなど)、魚油のドコサヘキサエン酸(DHA)やサメ肝油なども、血小板の働きを抑えて血液凝固を妨げる可能性が報告されている。これらを併用している場合には、個々のサプリメントが適量であっても、出血のリスクは高まる可能性があるので、他にどのようなサプリメントを服用しているか、総合的な判断も大切。
漢方薬・薬草・ハーブ類 栄養補助を主体として食品系のサプリメントと異なり、明らかな薬効成分を含有する漢方薬や薬草を安易に使用することは、様々な問題を抱えているがん患者の場合には勧められない。漢方薬やハーブの知識と、がんの病態や治療に関する知識を持っている医師や薬剤師の指導のもとに使用すべき。
 
がん細胞にアポト−シスを誘導するというサプリメント
(フコイダン、紅豆杉、タヒボ、環状重合乳酸、アミグダリン、プロポリス、ω3不飽和脂肪酸、マイタケ-D-フラクションなど) がん細胞にアポトーシスを誘導することは、通常の抗がん剤の作用にも類似するため、安全性や慢性毒性に関するデータを持っていない場合には危険。活性成分の血中濃度や代謝に関するデータがないものは信頼できない。培養細胞の実験でアポトーシスを起こす濃度と、内服して血中に達しうる濃度に整合性があること、動物実験での有効性と安全性のデータがあるものを選択することが大切。培養がん細胞を殺しても、体内に吸収されて、血液内でがん細胞を殺せる濃度にならなければ意味がない。
 
食物繊維 
(水溶性食物繊維、キチン・キトサン、フコイダンなど) 食物繊維の健康作用は広く認められているが、がんに対する効果は過大な期待はできない。ミネラルなどの他の栄養素や医薬品などを吸着して便と一緒に排泄する場合もあるので、サプリメントとして食物繊維を取る場合は注意が必要。
 
その他 メラトニン、核酸、L−カルニチン、プロバイオティクス、スルフォラファン、ジインドリルメタンなど

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